感染根管治療(再根管治療)

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感染根管治療(再根管治療)とその必要性

感染根管治療(再根管治療)とは、以前に行った根管治療が十分な効果を発揮できず、再び炎症や感染が生じた場合に実施する治療法です。歯科治療の中でも特に難易度が高い処置のひとつとされています。当院には、一般歯科での保険診療による根管治療で症状が改善せず、長期間にわたり痛みや不快感に悩まされている患者様が多く来院されています。

再治療が必要となる症状

感染根管治療(再根管治療)が必要となるサインにはいくつかの特徴があります。根管治療後も数ヶ月から場合によっては数年にわたって違和感が続き、思うように噛めない状態が続くことがあります。また、一度治まったはずの痛みや腫れが再発するケースも少なくありません。さらに、自覚的な痛みはなくても、治療した歯の歯肉から膿が出ている場合も再治療の対象となります。

これらの症状が見られる場合は、初回の根管治療が完全には成功していない可能性が高いため、専門的な診断と適切な再治療が必要です。

再治療が必要となる原因

感染根管治療(再根管治療)が必要となる原因は多岐にわたります。根管の解剖学的な複雑さ、特に湾曲や枝分かれが原因で汚れが完全に除去できなかったり、根管充填が不十分になったりすることがあります。また、見落としによる未治療の根管が残存していることもあります。

根管治療後の管理も重要な要素です。根管充填終了後から被せ物装着までの期間が長く空いてしまった場合、その間に細菌が再び侵入する可能性があります。さらに、被せ物の適合不良による隙間からの感染や、被せ物の周囲から発生した新たな虫歯による感染も再治療の原因となります。

最も深刻なケースとして、歯根の垂直破折(縦割れ)が起こった場合も再治療の対象となりますが、この場合は治療の難易度が著しく高まります。

感染根管治療(再根管治療)の流れ

1. 麻酔処置

治療開始時には局所麻酔を行いますが、炎症が強く麻酔が効きにくい場合には、抗生物質や鎮痛剤を用いて急性症状を緩和してから治療を開始することもあります。

2. 清潔環境の確保

治療の成功率を高めるために、ラバーダムと呼ばれる防護シートを装着し、唾液や細菌が根管内に入らないよう徹底した環境管理を行います。必要に応じて隔壁を作り、さらに確実な隔離を図ります。

3. 既存充填材の除去

前回の根管治療で充填されたガッタパーチャなどの材料を慎重に除去します。この過程が再治療の成否を大きく左右します。充填材の周囲にはバイオフィルムと呼ばれる細菌の集合体が形成され、黒色の汚れとして付着しています。当院では根管治療専用の極細超音波チップなどを駆使して、充填材と汚れを完全に除去するよう努めています。

感染根管治療(再根管治療)の成功率が初回治療より低いとされる主な理由は、このバイオフィルムに包まれた充填材が根管壁に強固に付着し、完全な除去が困難なためです。高度な技術と適切な機器を用いることで、可能な限り感染源を取り除くことが重要です。

歯根破折への対応

歯根が垂直に破折した場合、原則として抜歯が必要となります。しかし、どうしても抜歯を避けたい場合には、長期的な予後は保証できないものの、特殊な接着材を用いて破折部を接合する方法も選択肢として考えられます。この場合は、治療の限界や予後についての十分な説明を行った上で、患者様のご希望に沿った治療計画を立てることが重要です。

感染根管治療(再根管治療)の重要性

感染根管治療(再根管治療)は通常の根管治療よりも複雑で困難ですが、適切に行われれば歯の保存と機能回復が可能です。初回治療で十分な効果が得られなかった場合でも、諦めずに専門的な再治療を検討することが大切です。

当院では最新の設備と専門的知識を活かし、一般的な歯科医院では対応が難しいケースにも積極的に取り組んでいます。感染根管治療(再根管治療)に関するご不安やご質問がございましたら、まずはご相談ください。適切な診断と治療計画をもとに、患者様の大切な歯の保存と機能回復をサポートいたします。

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